京都大学・学部・行政学17

経済学部試験問題

問題 次の問1および問2に解答せよ.解答の順序は問わないが,冒頭に問番号を明記しなさい.配点は問1が60点,問2が40点である.

問1 プリンシパル・エージェント理論を用いて,現代の日本の地方自治体の特徴を,政治・行政関係の観点と,中央・地方関係の観点の双方から論ぜよ.

問2 経済学における市場の失敗および政府の失敗に関する議論と比較しつつ,行政学における政府の役割についての議論が有する特徴について論ぜよ.

85-80点;1名,79-75点;4名,74-70点;1名,59点以下;1名

法学部・教育学部試験問題

問題 近代以降,現在に至るまでにおいて,行政の転換期といえるのはどの時期であり,それはいかなる特徴を持っていたか.また,そこにおいて,日本を他国と比べたときにどのような異同を見いだすことができるか.できるだけ多面的に,かつ具体例を交えながら論じなさい.なお,解答の構成や文章の論理性についても評価対象とするとともに,解答に誤りや不要な要素が含まれている場合には減点を行うので注意されたい.

85-80点;17名,79-75点;40名,74-70点;48名,69-60点;8名,59点以下;21名

登録者の単位取得率=62.4%

京都大学・学部・行政学演習17

  1. 参加者数:4回生=9名(2名はオブザーバー参加),3回生=7名
  2.  目標
    • 政治学・行政学の最近の学術論文を理解し,検討する能力を身につける.最先端の研究の少なくとも「消費者」になること.
    • 文献をどこまで深く読めるのか,どこまで拡げることができるのか,他の学生からの刺激も受けながら,その水準を高めていって欲しい.文献に基づいて議論するという経験や,文献を読みっぱなしにするのではなく,もう一度,ディスカッションなども受けて吟味するという読み方も経験してほしい.
  3. 進め方
    • 毎回,二つの文献をセットで取りあげる.
    •  報告者(各文献につき一人)
      • 執筆者になりきって,研究成果の報告を行う.報告時間は15分.スライドを用意するとともに,紙の資料も16人分,用意する.
    • 討論者(二つの文献を一人で担当;初回のみ二人で)
      • Devil’s advocateに徹して,論文の問題点(論理の矛盾か根拠の欠落を中心に)を一つの論文につき,三カ所,指摘すること.
      • 当日は,口頭で,質問を行う(スライドや紙の資料は必須ではない).
    • 他の参加者
      • 課題文献について,事前に読んでおき,報告者と討論者のバックアップ(討論者の質問に報告者が答えられなければ,代わりに答える;討論者が指摘していない問題点があれば,その指摘を行う)を行う.
    • それぞれの論文の検討を終えた後,ラップアップのディスカッションを行う.ここは自由に,日本の政治や行政についての意義や他の文献との関連などを自由に議論してよい.逆にいえば,論文の検討の段階は内在的批判に徹すること(あくまでもトレーニングとして).
    • 追記:実際には,論文の検討のディスカッションが活発だったため,毎回,一つの文献のみを取りあげることに変更した.
  1. 各回の予定
  • 追記:上述の通り,実際には毎回一つの文献に絞った.実際に扱った文献に*をつけてある.
  • 10/2 自己紹介とガイダンス
    • *曽我謙悟.2014-2015.「先行研究を読むとはいかなる営みなのか:大学院新入生への1つのアドバイス()()()」『書斎の窓』635, 636, 637号.
  • 10/16 中央省庁
    • *原田久 2013.「公文書管理制度の実証分析」『立教法学』88:314-298.
    • *北村亘 2004.「予算使途別分類から見た外務省」『甲南法学』45(1): 61-81.
  • (10/23は休講)
  • 10/30 政策実施と官僚制
    • *関智弘. 2014.「組織人としてのケースワーカー : ストリートレベルの官僚制の再検討」『年報行政研究』49: 81-98.
    • *荒見玲子 2014.「資格認定の実施過程におけるアクターの応答性の規定要因とそのメカニズム : 福井県の要介護認定調査の分析から」『社會科學研究』65巻1号: 135-178頁.
  • 11/6 政官関係
    • *河合晃一 2017.「金融行政組織の制度設計をめぐる90年代日本の政治過程」『金沢法学』59(2): 75-115.
    • 増山幹高 2002.「議事運営と行政的自律」『レヴァイアサン』30: 41-66.
  • 11/13 政党と首相
    • *藤村直史 2016.「政党の選挙戦略と党内の資源配分 : 内閣総理大臣による選挙期間中の候補者訪問」『年報政治学』2016(2): 99-119.
    • 濱本真輔 2015.「首相と党内統治 : 人事と造反」『選挙研究』31(2): 32-47.
  • 11/20 議会
    • *築山宏樹 2015.「地方議会の役職配分 : 委員会構成の規定要因」『法学政治学論究 : 法律・政治・社会』104: 33-57.
    • 松浦淳介 2016.「特定秘密保護法案の立法過程 : 分裂議会における参議院の拒否権と非決定現象」『法政論叢』52(1): 53-72.
  • (11/27は11月祭のため授業休止)
  • 12/4 政党と議員
    • 砂原庸介 2010.「「地方における政党政治と二元代表制:地方政治レベルの自民党「分裂」の分析から」」『レヴァイアサン』47: 89-107.
    • *飯田健 2016.「自民党大阪市会議員の大阪維新の会への鞍替えの分析 : 中選挙区制下の再選欲求と潜在的政策選好」『レヴァイアサン』59: 80-105.
  • (12/9=合同ゼミ)
  • 12/11 地方選挙と国政選挙
    • 前田幸男 2007.「選挙制度の非一貫性と投票判断基準」『社會科學研究』58巻5号: 67-83頁.
    • *久保慶明 2016.「2014年沖縄県知事選挙と衆議院議員総選挙の得票分析」『政策科学・国際関係論集』17号: 1-37頁.
  • 12/18 選挙制度
    • *粕谷祐子 2015.「「一票の格差」をめぐる規範理論と実証分析 : 日本での議論は何が問題なのか」『年報政治学』2015巻1号: 90-117頁.
    • 松林哲也. 2016.「投票環境と投票率」『選挙研究』32(1): 47-60.
  • 12/25 投票行動
    • 上神貴佳. 2012.「党派的に正確な投票は可能か : 日本の地方議会議員選挙における有権者の誤認識」『高知論叢 : 社会科学』105: 1-22.
    • *梅田道生. 2015.「日本の衆議院総選挙における大規模な議席数の変動とその背景 : 競争的な小選挙区と「行政改革」志向有権者の投票行動の変化」『愛媛法学会雑誌』42(1): 125-153.
  • 1/15 有権者
    • 直井恵・久米郁男. 2014.「人々はなぜ農業保護を支持するのか? : サーベイ実験から見えてくるもの」『レヴァイアサン』55: 8-35.
    • *三輪洋文. 2014.「現代日本における争点態度のイデオロギー的一貫性と政冶的洗練 : Converseの呪縛を超えて」『年報政治学』2014(1): 148-174.
  • 1/16(注意!=火曜日だが振り替え)「左右」と政策
    • *稗田健志 2014.「左派・右派を超えて? : 先進工業21カ国における育児休業制度の計量分析」『レヴァイアサン』55: 87-117.
    • 加藤淳子他 2005.「政府の党派性と経済運営:日本とスウェーデンの比較」『レヴァイアサン』37: 48-74.
  • 1/22 政治と政策
    • *豊福実紀. 2017.「配偶者控除制度の変遷と政治的要因」『社会保障研究』1(4): 845-860.
    • 京俊介 2016.「イシュー・セイリアンスと刑事政策 : 「ポピュリズム厳罰化」と「民意なき厳罰化」の政治過程」『公共政策研究』16:19-32.

京都大学・学部・行政学演習16

  1. 参加者数:4回生=6名,3回生=6名
  2.  目標
    • 現代日本の政治と行政の実態を理解し,それがいかなる課題を抱えているのかを,文献講読とそれに基づくディスカッションを通じて明らかにしていく.
    • 難しい文献に取り組むというのではなく,自分たちでも扱える文献を素材としながら,それに基づいて議論を展開していくことや,そこからさらに問いを見いだし,検討を加えていくという活動ができるようになること.
    • 文献を読みっぱなしにするのではなく,もう一度,ディスカッションなども受けて吟味するという読み方を経験する.
  3. 進め方
    • 報告者
      • 事前に内容要約と疑問点,論点(あわせて3点以上)をまとめた配付資料を作成し(分量は自由),人数分コピーを用意する
      • 当日は,口頭で20分程度の報告を行うとともに,その後の司会進行も行う.まず,自分の提示した論点の検討,その後,他の参加者から論点を出してもらい,それらの検討.最終的に,再検討者の調査や検討を加えてもらう課題として何を設定するかを,話し合いを通じて決めていく.
    • 再検討者
      • 設定された調査・検討課題について,資料等を用いて調査を進める.その結果をやはり配付資料にまとめて,コピーを用意する.
      • 当日は,やはり口頭で20分程度の報告を行い,その後の質疑応答を進める.
    • 他の参加者
      • 課題文献について,事前に読んでおき,疑問点と論点をまとめておくこと.
    • 第二回以降は,毎回,前回課題文献について1時間ほどで扱い,課題文献の検討をその後やはり1時間ほどで行う形となる.
  4. 各回の課題文献
    • 4月11日:ガイダンス
    • 4月18日: 林芳正・津村啓介『国会議員の仕事』
    • 4月25日:北岡伸一『自民党』
    • (5月2日(月)は休講)
    • 5月9日:中北浩爾『自民党政治の変容』
    • 5月16日:飯尾潤『日本の統治構造』
    • 5月23日:下村健一『首相官邸で働いて初めてわかったこと』
    • 5月30日:田崎史郎『安倍官邸の正体』
    • 6月6日:清水真人『財務省と政治』
    • 6月13日:上川龍之進『日本銀行と政治』
    • 6月20日:砂原庸介『大阪』
    • 6月27日:北村亘『政令指定都市』
    • 7月4日:湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』
    • 7月11日:待鳥聡史『代議制民主主義』

大学院生・研究員の受け入れについて

  • 現代の行政の研究を行っている(行おうとする)法学研究科の学生(社会人コースを含む),ならびに日本学術振興会特別研究員について,指導・受入を行っています.
    • 指導ないし受入を希望される方については,ご自身がどのような研究を行おうとするのかということと,私が何について,どのように指導できるのかということのマッチングが重要だと考えています.そのため,受験や申請の前に,あらかじめご相談をお願いします.
    • 特別研究員については,毎年度,受入予定者となるのは一人だけとしています.受入希望をお持ちの方は,お早めにご相談ください.
  • 留学を希望される皆様へ

大阪大学・院・都市行政学00

1.ねらい

日本の政策過程分析(政策の形成,決定,実施のプロセスを対象とする実証研究)の代表的な業績を題材としながら,日本の行政府がいかにして,政策を形成,決定,実施しているか,その特徴はどのようなものか,なぜ,そのような特徴をもつようになっているのかなどを理解する

日本の政策過程の理解を踏まえ,参加者が今後,自分自身で政策過程分析を行う際に,どのような点に着目すればよいのか,どのような研究デザインを考えればいいのかを考える

何を明らかにしようとするのか(どのような問いを立てるのか)

その問いに対し,どのような答えを予測するのか

その答えが実際に成り立つかどうかを論理的に導く,あるいは証拠を示すことで,確実なものにすることができるか

 

2.講義の構成

政策の循環にそって,政策のアジェンダ設定,選択肢の模索,決定,実施,政策が持つ効果,その評価を見ていく

一つのテーマについて,理論的,概念的な考察を行っているものと,実際にどうなっているのかを明らかにしようとするものの双方を取り上げる

 

3.講義計画

第一回(4月18日);イントロダクション

第二回(4月25日);担当者,学内委員会出席のため休講

第三回(5月9日);政策過程概観

曽我謙悟 1998 「アーバン・ガバナンスの比較分析(2)」『国家学会雑誌』第112巻第1・2号,第一章第三節.

第四回(5月16日);誰がどのような役割を担うのか

山口二郎 1994 「政策の類型」西尾勝・村松岐夫編『講座行政学第5巻・業務の執行』有斐閣.

菅 直人 1998  『大臣』 岩波書店<岩波新書558>.

後藤田正晴 『政と官』

第五回(5月23日);誰がどのような役割を果たしているのか

村松岐夫 1990  「政治過程における政党と行政官僚集団」 『法学論叢』第102巻第5・6号.

辻中豊・石生義人 1998  「利益団体ネットワーク構造と政権変動」『レヴァイアサン』臨時増刊号(特集 政権移行期の圧力団体).

サミュエルズ,リチャード 1987[1999] 『日本における国家と企業:エネルギー産業の歴史と国際比較』多賀出版.

第六回(5月30日);何を考えて決定を行うのか

伊藤大一 1967 「経済官僚の行動様式」日本政治学会編『現代日本の政党と官僚』岩波書店.

牧原 出 1994  「官僚制理論」西尾勝・村松岐夫編『講座行政学第1巻・行政の発展』有斐閣.

建林正彦 1997  「中小企業政策と選挙制度」日本政治学会(編)『年報政治学1997 危機の日本外交──70年代』.

第七回(6月6日);どのように決定がなされているのか

加藤淳子 1997  『税制改革と官僚制』東京大学出版会.

鈴木寛・城山英明 1999 「通産省の政策形成過程」城山英明・鈴木寛・細野助博『中央省庁の政策形成過程:日本官僚制の解剖』中央大学出版部.

草野厚 1999  『連立政権――日本の政治1993~』<文春新書068>文藝春秋.

第八回(6月13日);誰によりどのように実施されるのか

森田 朗 1984  「行政裁量に関する一考察─執行活動における決定分析の試み」日本行政学会編『年報行政研究18・日本の行政裁量─構造と機能─』

リプスキ―,マイケル 1980[1986] 『行政サービスのディレンマ』木鐸社.

畠山弘文 1989 『官僚制支配の日常構造』三一書房.

第九回(6月20日);どのようにして社会に働きかけるのか

アッパーム,フランク 1995 「日本的行政規制スタイルの試論的モデル」石井紫郎・樋口範雄(編)『外から見た日本法』東京大学出版会.

北原鉄也 1990 「建設省における行政スタイルの変化」総務庁長官官房企画課『社会経済の変化と行政スタイルの変容に関する調査研究報告書』行政管理研究センター.

真渕 勝 1991 「金融行政の変化:脱規制と法制化」『季刊行政管理研究』第53号.

第十回(6月27日);政策はどのような効果を持つのか

ジョンソン,チャーマーズ 1982 『通産省と日本の奇跡』TBSブリタニカ.

野口悠紀雄 1992 「日本の都市における土地利用と借地・借家法」宇沢弘文・堀内行蔵(編)『最適都市を考える』東京大学出版会.

第十一回(7月4日);政策をどのように評価するのか

田辺国昭 1998 「政策評価」森田朗(編)『行政学の基礎』岩波書店.

第十二回(7月11日);まとめ

 

大阪大学・院・都市行政学03

1.概要・目的
地方自治の制度(中央地方関係や地方政府の政治機構,行政機構)の違いが,どのような政策の違い(たとえば福祉を重視するか開発を重視するか)を生み出し,それがさらに社会や経済にどのような影響や効果(たとえば経済発展の程度)をもたらすかについて理解することを目的とする.
一定の理論的視角にたって,明示的に仮説を導出し,それを経験的なデータに基づいて検証している様々な研究を講読し,それに基づき討論を行うことで,社会科学的に地方自治のあり方について考えるとはどういうことなのかを会得してもらうことが,この講義の目標である.

2.受講要件
第一に,地方自治について関心を持っていること.第二に,テキストは英語であり,毎週20から30頁がアサインされることを覚悟しておくこと.

3.講義計画

(1)イントロダクション:文献リストの配布と以降の回の進め方の説明

(2)集権・分権と経済発展

Montinola, Gabriela, Qian, Yingyi and Weingast, Barry R., 1995 Federalism, Chinese Style: The Political Basis for Economic Success in China. World Politics 48: 50-81.

Qian, Yingyi, and Weingast, Barry R., 1997 Federalism as a Commitment to Preserving Market Incentives, Journal of Economic Perspectives 11: 83-92.

Wibbles, Erik. 2000. Federalism and the Politics of Macroeconomic Policy and Performance. American Journal of Political Science 44: 687-702.

Rauch, James E., 1995 Bureaucracy, Infrastructure, and Economic Growth: Evidence from U.S. Cities during the Progressive Era. American Economic Review 85: 968-79.

Davoodi, Hamid, and Zou, Heng-fu, 1998 Fiscal Decentralization and Economic Growth: A Cross-Country Study. Journal of Urban Economics 43: 244-57.

Shleifer, Andrei, and Vishny, Robert, 1999 The Quality of Government. Journal of Law, Economics, and Organization 15: 222-279.

以下は参考文献.

Persson, Torsten, and Tabellini, Guido, 1999 The Size and Scope of Government: Comparative Politics with Rational Politicians. European Economic Review 43: 699-735.

Treisman, Daniel, 2000 Decentralization and Inflation: Commitment, Collective Action, or Continuity? American Political Science Review 94: 837-58.

Lohmann, Susanne, 1998 Federalism and Central Bank Autonomy: The Politics of German Monetary Policy, 1957-1992, World Politics 51: 401-46.

Rodden,Jonathan, and Rose-Ackerman,Susan, 1997 Does Federalism Preserve Markets? Virginia Law Review,Vol.83,No.7,

de Figueiredo, Rui J. P., Jr., and Barry Weingast. 2002. Pathologies of Federalism, Russian Style: Political Institutions and Economic Transition. Comparative Politics, forthcoming.

 

(3)地域間競争と政策選択

Volden, Craig. 2002. The Politics of Competitive Federalism: A Race to the Bottom in Welfare Benefits? American Journal of Political Science, forthcoming.

Lowery, David, 2000 A Transactions Costs Model of Metropolitan Governance: Allocation versus Redistribution in Urban America, Journal of Public Administration Research and Theory 10: 49-78.

Teske, Paul, Schneider, Mark, Mintrom, Michael and Best, Samuel, 1993 Establishing the Micro Foundations of a Macro Theory: Information, Movers and the Competitive Local Market for Public Goods, American Political Science Review 87: 702-13.

 

(4)地方政治と政策選択

Alt, James E., and Lowry, Robert C., 1994. Divided Government, Fiscal Institutions, and Budget Deficits: Evidence from the States. American Political Science Review 88: 811-828.

Clingermayer, James C., and Wood, B. Dan, 1995 Disentangling Patterns of State Debt Financing, American Political Science Review 89:108-120.

Tweedie,Jack, 1994 Resources Rather Than Needs: A State-Centered Model of Welfare Policymaking, American Journal of Political Science 38: 651-72.

Potoski, Matthew, and Woods, Neal D., 2000. Designing State Clean Air Agencies: Administative Procedures and Bureaucratic Autonomy. Journal of Public Administration Research and Theory 11: 203-221.

 

(5)地方政府間の関係:政策の波及

Mintrom, Michael, and Vergari, Sandra, 1998 Policy Networks and Innovation Diffusion: The Case of State Education Reform, Journal of Politics 60: 120-48.

Mooney, Christopher Z., and Mei-Hsien Lee, 1995 Legislative Morality in the American States: The Case of Pre-Roe Abolition Regulation Reform, American Journal of Political Science 39:599-627.

大阪大学・院・文献購読98

この講義は待鳥聡史と共同で開催する.

○講義予定

第1週(4/17) 概要の説明

第2週(4/24) 分析のレヴェル(1)--体制、理念、制度、利益
秋月謙吾「利益・制度・イデオロギー」『法学論叢』131巻2号(1992)
石田 徹『自由民主主義体制分析』第1部1章、2章(1992)

第3週(5/8) 分析のレヴェル(2)--多元主義と集団理論(利益)
R・ダール『統治するのは誰か』7章、19~26章(1961=1988)
M・オルソン『集合行為論』1章、5章(1965=1993)
大嶽秀夫=鴨武彦=曽根泰教『政治学』166~176頁(1993)

第4週(5/22) 分析のレヴェル(3)--二つの制度論(制度)
真渕 勝「アメリカ政治学における『制度論』の復活」『思想』1987年11月号
Kenneth A. Shepsle, “Studying Institutions,” in James Farr, et al., eds., Political Science in History (Cambrige University Press, 1995).

第5週(6/5) 分析のレヴェル(4)--アイディアの政治(理念)
Margaret Weir, “Ideas and Politics: The Acceptance of Keynesianism in Britain and the United States,” in Peter A. Hall, ed., The Political Power of Economic Ideas (Princeton: Princeton University Press, 1989)
Hugh Heclo, “Issue Networks and the Executive Establishment,” in Anthony King, ed., The New American Political System (Washington, D.C.: AEI Press, 1978).

第6週(6/19) 分析のレヴェル(5)--マルクス主義とコーポラティズム(体制)
J・オコンナー『現代国家の f財政危機』(1981)序論、2章
フィリップ・C・シュミッター「いまもなおコーポラティズムの世紀なのか?」
T・J・ペンペル,恒川恵市「労働なきコーポラティズムか」以上,2論文,シュミッター=レーンブルッフ編『現代コーポラティズム(I)』木鐸社,1984年.

第7週(6/26) フィードバック(1)これまでに十分検討できなかった論点についての議論

第8週(7/3) 分析のツール(1)--規範と実証
Theodore J. Lowi, “The State in Political Science,” American Political Science Review, vol. 86 (1992), pp. 1-7.
松下圭一『政治・行政の考え方』6章(1998)
猪口 孝=大嶽秀夫=村松岐夫「『レヴァイアサン』発刊趣旨」「戦後日本の政治学」、いずれも『レヴァイアサン』1号(1987)

第9週(7/10 or 9/25) 分析のツール(2)--質的データと量的データ
Gary King, Robert O. Keohane, and Sidney Verba, Designing Social Inquiry (Princeton: Princeton University Press, 1994), chap. 1.
小林良彰『公共選択』(1988)9章

第10週(10/9) 分析のツール(3)--理論志向と事実志向、歴史・比較・事例
“Controversy in the Discipline: Area Studies and Comparative Politics,” PS: Political Science and Politics, June 1997.
The Political Methodoligist, vol. 8, no. 1 (1997) 所収のGamm, Katznelson, Aldrich の各論文
伊藤之雄「合理的選択モデルと近代日本研究」『レヴァイアサン』19号(1996)

第11週(10/16) フィードバック(2)

第12週(10/23) 分析の対象(1)--政策決定のサイクル
大森 彌「政策」日本政治学会編『年俸政治学1979・政治学の基礎概念』岩波書店,1981年.
草野 厚『政策過程分析入門』(1997)2章、3章

第13週(11/6) 分析の対象(2)--前決定
John Kingdon, Agendas, Alternatives, and Public Policies (Harper Collins, 1996).
笠 京子「政策決定過程における『前決定』概念」『法学論叢』123巻4号(1988)

第14週(11/20) 分析の対象(3)--決定
G・アリソン『決定の本質』(1977)序章、7章、あとがき
大嶽秀夫『現代日本の政治権力経済権力(増補版)』(1996)3章

第15週(11/27) 分析の対象(4)--執行
森田 朗『許認可行政と官僚制』(1988)1章
大山耕輔「行政指導の規制緩和」『レヴァイアサン』12号(1993)

第16週(12/11) 分析の対象(5)--社会や経済との接点
樋渡展洋『戦後日本の市場と政治』(1991)序章、1章、2章
西澤由隆=河野 勝「日本における選挙経済循環」『レヴァイアサン』6号(1990)

第17週(12/18) フィードバック(3)

第18週(1/9) 現代日本の政治学における主要業績(1)--多元主義と集団理論
村松岐夫『戦後日本の官僚制』(1981)
辻中 豊『利益集団』(1988)

第19週(1/22) 現代日本の政治学における主要業績(2)--制度論
真渕 勝『大蔵省統制の政治経済学』(1993)
加藤淳子『税制改革と官僚制』(1997)

第20週(1/29) フィードバック(4)
加藤淳子=川人貞史=久米郁男「日本政治学の課題と展望」『レヴァイアサン』臨時増刊号(1998冬)

京都大学・学部・行政学16

経済学部試験問題

問題 次の問1および問2に解答せよ.解答の順序は問わないが,冒頭に問番号を明記しなさい.配点は問1が60点,問2が40点である.

問1 2012年に成立した第二次安倍政権において日本の行政機構にはいかなる変化が見られるか.それ以前との違いや変化の原因についても触れながら論じなさい.

問2 講義で示した行政学から見た官僚制の捉え方は,経済学における官僚制の捉え方とどのように異なるか.できるだけ論点を絞りながら論じなさい.

成績評価 優2名,良4名,可5名,不可4名

法学部および教育学部試験問題 

問題 1990年代以降,現在までの日本の中央行政機構において,公務員制度と府省庁組織の編成,首相・内閣との関係,地方政府との関係のそれぞれにはどのような変化と連続性が見出されるかを端的にまとめた上で,それら三つの間の関係(共通点および・あるいは相違点)を示し,さらにそれぞれの変化をもたらした要因を論じなさい.なお配点は,三つの変化と連続性のまとめに各15点,三つの関係に20点,変化の要因に20点,全体の構成と文章の論理性に15点とする.また,解答に誤りや不要な要素が含まれている場合には減点するので注意されたい.

 

京都大学・現代政治ワークショップ

  • 概要
    • 京都大学法学研究科において,現代国内政治を専門とする教員を中心として,政治学専攻の大学院生と共同でワークショップを開催しています.研究構想やアイディアについて意見交換を行うことを主たる目的としています.
  • 各回の内容(敬称略.所属の記載がない場合,学内の教員ないし大学院生)
    • 2018/2/22 安田泉穂「日本の利益集団研究の動向:メゾ・レベルを中心に」
    • 2018/1/11 竹中勇貴「地方政治研究における知事の再発見」
    • 2017/12/14 青山和志「多数主義的議事運営と法案審議時間の制約:カナダ議会における討論終局及び時間配分動議とはいかなる制度か」
    • 2017/11/30 井関竜也「イタリア憲法裁判所をめぐる政治過程:政府、野党、司法官の間で」
    • 2017/11/9 成鎮宇「規制としての福祉行政:介護サービス供給における政府の事業者コントロールを中心に」
    • 2017/10/19 渡邊駿「継続する改革の中での反体制派の統制: 1989年以降のヨルダン政治の展開から」
    • 2017/10/5 土井翔平「東アジアにおける経済と安全保障」
    • 2017/9/21 上條諒貴「政党内政治と内閣の終了」ならびに砂原庸介(神戸大学) “Local assembly and municipal government expansion in Japan”
    • 2017/7/21 ケネス・盛・マッケルウェイン(東京大学)「世論調査において「改憲」は何を意味するか」
    • 2017/6/8 北川雅敏「現代地方政府の産業政策」
    • 2017/5/18 曽我謙悟「政策変化を量的に捉えるには?:尖度と分位点回帰の利用」
    • 2017/4/27 石間英雄「ウェストミンスターモデルにおける個人投票追求:議員のTwitterの分析より」
    • 2017/3/9 Nara Park(Ph.D candidate, The University of Chicago)”Affiliation Network Analysis on Postwar Seikai-Tensin (政界転身) Network, 1947-2014”
    • 2017/2/23 成鎮宇「「規制」としての福祉行政:日本の福祉政治・行政研究のレビューと併せて」
    • 2017/1/26 祐野恵「地方レヴェルの議員の行動分析:議員研修の視座から」
    • 2017/1/12 青山和志「政府による立法時間のコントロールとイギリス議会:アジェンダ・コントロール研究の現状と併せて」
    • 2016/12/15 井関竜也「イタリア司法政治研究の現状と課題」
    • 2016/12/1 土井翔平「国際危機における政治的費用の分解:実験的アプローチ」
    • 2016/11/10 上條諒貴「党内制度と内閣総辞職:ゲーム理論による分析」
    • 2016/10/20 建林正彦「自民党とはいかなる政党か」
    • 2016/10/6 待鳥聡史「自作解題 アメリカ大統領制の現在」
    • 2016/7/28 崔佳榮, Gender, Politics, and Welfare State in South Korea: A Focus on Family Policy
    • 2016/7/14 朴泳彬「制度変化の政治経済学:指定管理者制度を中心に」
    • 2016/6/23 宇治梓紗「水銀に関する水俣条約における三位一体の実現」
    • 2016/6/9 Ken Hijino, Local Partisan and National Policy: Multilevel Policy Conflicts in Japan and Beyond
    • 2016/5/19 北川雅敏「日本の地方自治体の産業政策」
    • 2016/4/28 平野淳一(甲南大学)「首長の行財政改革の規定要因」
    • 2016/4/14 藤村直史(神戸大学), Compensation for Policy Loss or Rewards for Party Loyalty?
    • 2016/2/10 曽我謙悟「比較の中の日本の官僚制から『現代日本の官僚制』へ」
    • 2016/1/25 矢内勇生(神戸大学)「参議院が政策に与える影響」
    • 2015/12/14 田村慎也「二元代表制下での政党間移動」
    • 2015/11/30 石間英雄「調整メカニズムによる政党の一体性」
    • 2015/11/16  Ken Hijino, Party Discourse and Positions on Territorial Issues in Post-war Japan
    • 2015/11/9 土井翔平「商業的平和の限界」
    • 2015/10/19 石間英雄「調整メカニズムによる政党の一体性」
    • 2015/10/5 上條諒貴「多数状況における内閣の終了」

京都大学・院・行政学16

  • 講義の位置づけ

この講義では,政治学の学術研究を進めていく上で必要な研究方法について,基本的な理解を得ることを目標とする.個別の計量分析の手法や統計ソフトの用い方の修得については,他の講義や自習によることとして,この講義では,計量分析,実験,事例研究,フォーマルモデルといった研究方法の基本的な特徴や強みと弱みを理解することを目標とする.〔追記:実際には,実験と事例研究は時間の関係で扱えなかった.〕

なお,現代政治分野に関しては,本講義の他,内容に関する体系的な文献講読(コースワーク)と,研究アイディアの意見交換や研究成果の公表・検討を行うワークショップとの三本立てで,大学院の教育は構成される.

  • 毎回のテーマと課題
    • 4 月 13 日:ガイダンス
      • 課題文献:曽我「先行研究を読むとはいかなる営みなのか」
      • 検討点:アウトプットとして何が求められているのか.そこから逆算してどのようにインプットを組み立てるとよいのか.あなたの考えをまとめなさい.
    • 4 月 20 日:政治学における因果推論の確認と諸方法の概観
      • 課題文献:久米郁男『原因を推論する』(有斐閣)+加藤ほか『政治学の方法』(有斐閣アルマ)
      • 検討課題 1:久米を読んで,政治学における因果推論において,特にどのような注意すべき点があるのか,そのことは政治学のいかなる特徴と関係しているのかを考えなさい.
      • 検討課題 2:加藤ほかを読んで,政治学の主要な方法の特徴,強み,限界についてまとめた上で, 政治学において方法論とはどのような意味をもつのか,他の学問分野と比べたときにどのような違いがあるのか(ないのか),あなたの見解を示しなさい.
    • 5月11日:理論の構築1
      • 課題文献:曽我「政治的産物としての官僚制」未公表草稿.
      • 検討課題:文献を読んで,不明点,疑問点をまとめた上で,リサーチクエスチョンを考えるに際して,当該モデルがどの程度有効であるか,検討しなさい.
    • 5月25日:理論の構築2
      • 課題文献:Iversen, Torben, and David Soskice. 2006. “Electoral Institutions and the Politics of Coalitions: Why Some Democracies Redistribute More Than Others.” American Political Science Review 100: 165-81.
      • 検討課題:文献のうちモデルの部分(171 頁まで)を読んで,不明点,疑問点をまとめた上で,リサーチクエスチョンを考えるにあたって,当該モデルがどの程度有効であるか,検討しなさい.
    • 6月15日:理論の構築3
      • 課題:何らかの政治的状況を設定し,それを説明する理論モデルを構築しなさい.モデルのセッティング,命題,含意の三点について,ハンドアウトを作成し,当日は 10 分で口頭報告を行うこと.
      • 追記:自分でモデルを立てるのが難しいと感じる場合は,先行研究におけるモデルの紹介を行うことに代えてもよいこととした.
    • 6 月 29 日:計量分析の検討:回帰分析の考え方
      • 課題文献:Achen, Christopher H. 2005. “Let’s Put Garbage-Can Regressions and Garbage-Can Probits Where They Belong.” Conflict Management and Peace Science 22 (4): 327-39.
      • 検討課題:論文で指摘されている注意点を整理した上で,なぜそのような注意が必要なのか(落とし穴がどこにあるのか)検討しなさい.現在の政治学において,どの程度そこでの注意点が守られているのか,具体例とともに検討しなさい.
    • 7 月 6 日:計量分析の実践 2:回帰分析のリプリケーション
      • 課題:Iversen and Soskice. 2006
      • 検討課題:後半部分を読んで,モデルの検証にあたって,どのような変数の指標化をおこなって いるのか,その妥当性を検討しなさい.分析の方法を確認し,疑問点を整理しておきなさい.
    • 7 月 20 日:計量分析の実践 3:リプリケーション
      • 課題:Iversen and  Soskice. 2006 のリプリケーションデータ(http://www.people.fas.harvard.edu/~iversen/data/ElectoralInstitutions.htm)を用いて,同論文の計量分析を再現しなさい.
      • 検討課題:データに対して適切な分析が行われているのか,自身の分析を通じて確認しなさい.また,分析の頑健性はどの程度だと判断するか,様々な方法を試して確認しなさい.
    • 後期については,参加者各自が指定した論文を取り上げ,リプリケーションを行って,検討を加える.
      • 追記:取り上げた論文は次の通り.下記の日程において,毎回およそ一本を取り上げた.10月12日,10月26日,11月2日,11月16日,12月7日,12月21日,1月18日
      • Konisky, David M., and Manuel P. Teodoro. 2016. “When Governments Regulate Governments.” American Journal of Political Science 60 (3): 559-574.
      • Blom-Hansen, Jens, Kurt Houlberg, and Søren Serritzlew. 2014. “Size, Democracy, and the Economic Costs of Running the Political System.” American Journal of Political Science 58 (4): 790–803.
      • Berry, Christopher R., and Anthony Fowler. 2016. “Cardinals or Clerics? Congressional Committees and the Distribution of Pork.”American Journal of Political Science 60 (3): 692-708.
      • Jenkins, Jeffery A., and Nathan W. Monroe. “On Measuring Legislative Agenda-Setting Power.” American Journal of Political Science 60(1): 158-174.
      • Kellam, Marisa. 2015. “Why Preelectoral Coalitions in Presidential Systems?”
        British Journal of Political Science, Published online: 24 August 2015
      • Gibler, D. M., & Randazzo, K. A. (2011). Testing the effects of independent judiciaries on the likelihood of democratic backsliding. American Journal of Political Science, 55(3), 696-709.
      • Gartzke, Erik. 2007. The Capitalist Peace. American Journal of Political Science 51(1):166-191.