1.概要;法学部における現代政治分野への導入として,また,共通教育における現代政治学の概論として,現在の政治学の基礎についての解説を行う.理論的検討と,データに基づく実証の双方を扱う.
2.各回の内容
- 導入;政治とは何か,政治学とは何か
- 国家;強い国家とはなにか,法の支配とは何か
- デモクラシー;デモクラシーとは何か,各国・各時期のデモクラシーの諸相,民主化の要因,民主制の帰結
- データ分析入門
- 政治参加;誰が参加するのか,なぜ参加するのか,参加にはどのような形態があるのか,参加は何をもたらすのか
- 有権者の選好と知識;有権者は何を望むのか,何を知っているのか
- 投票行動;どのように投票するのか,投票は何をもたらすのか
- 政党;なぜ政党ができるのか,政党はどのような役割を果たすのか
- 議会;法案の制定を図るのは誰か,いかに決定がなされるのか
- 執政制度;議院内閣制と大統領制は何が違うのか
- 政権構築;いかにして政権構築を行うか,連立政権のくみわせ,政権の安定性は何をもたらすか
- 権力分立;政権以外に権力はどこにあるのか,司法の独立とは何か
- 戦後日本政治;日本政治はどのように変化してきたか
- 政策帰結;政策はいかなる影響を持つか
3.試験
(法学部)問1と問2の両方に答えなさい.いずれについても,解答の構成や文章の論理性についても評価対象とするとともに,解答に誤りや不要な要素が含まれている場合には減点を行うので注意されたい.配点はそれぞれ50点である.
問1 投票参加について,現代の政治学はどのような理解を示しているか,代表的な研究を紹介しつつ,様々な知見や議論の関係を整理して述べなさい.
問2 「現代のデモクラシーは危機にある」といった言説に対して,いかなる論評を加えることができるか.講義内容を用いつつ,あなたの見解を加えて論じなさい.
合格者=281名,不合格者=50名,登録者のうちの合格率=84.9%