京都大学・法学部・演習19

1.参加者:4年生3名,3年生10名,計13名

2.概要:現代政治・行政に関わる実証研究を,いくつかのステップに分けながら,順に各自で進めていく.その結果を,各段階ごとに報告してもらい,参加者全員で検討を加えていく.行うべき作業については,教員がガイダンスを行うことに加え,統計分析等々の技能についても必要に応じた指導を行うことにより,これまで全く分析や論文執筆の経験がない者であっても,完成まで導くことを目指す.

3.進め方

全体のガイダンス
問いの設定
① 教員による解説;課題文献=善教将大・坂本治也.2017.「何が寄付行動を促進するのか―Randomized Factorial Survey Experimentによる検討―」『公共政策研究』17: 96-107.
② 報告;報告内容は,リサーチ・クエスチョン,RQの意義(RQを選ぶ理由),想定される答え,なぜその答えになると考えるかの理由.以上の四点

先行研究の検討
① (解説は,「問いの設定」とあわせて行う)
② 報告;課題は,あなたの研究にとって関係の深い先行研究を最低五つ(上限はない)探しだし,リストを作成する.その中でもとりわけ大事な三つの論文について,その概要(RQは何か,どのような研究方法をとるか,何がわかったのか)をそれぞれ端的にまとめること.その上で,それら三つの先行研究と,あなたの研究の関係を明らかにすること

仮説の構築
① 解説
② 報告;仮説を検証する方法として何をなぜ選ぶか.仮説における変数の具体的な指標として何を用いるのか(他に用いうる代替指標は何か.データや資料として何を収集するのか.

仮説の検証
① (解説は「仮説構築」とあわせて行う)
② 報告;仮説の検証作業として行ったことと,作業の結果を報告する.仮説とは異なる結果になった場合に,なぜそうなったのかを考察する.仮説検証をやり直す必要や,追加の分析を行う必要はないかを検討する.

論文の執筆とプレゼンテーション
① 報告

4.成果:最終的に論文を提出したのは11名であった.それぞれの題目は以下のものである.

  • 「ポピュリスト」は「ポピュリズム」を支持しないのか:2012年衆議院議員総選挙における条件付け効果の分析
  • 内閣人事局設置による官僚人事の変化
  • MUSLIM-MODERN ACCOMMODATION GAME: FROM THE PERSPECTIVE OF ORDINARY PEOPLE IN TURKEY
  • 都市の再開発の進度を決めるものは何か?―名古屋駅と栄の比較から検討する―
  • なぜ京都大学の女子率は低いのか−国立総合大学の女子率の規定要因の分析−
  • 京都府における私立高校実質無償化政策の政治過程
  • なぜ日本の国政選挙において、有権者の年齢が高いほど投票率が上がるのか ―蒲島(1988)研究の再検討―
  • なぜ地方のコンパクトシティ化は失敗するのか
  • 日本の少子化はなぜ止まらないか
  • 選挙の競争性の規定要因-なぜ選挙は非競争的になるのか
  • パネルデータによる投票率の因果効果分析

投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: