神戸大学・学部・行政学14

試験問題

 現在の日本の行政の特徴は,いつ,どのようにして形成されてきたのか,政治と行政の関係,中央政府と地方政府の関係,政府部門と民間部門の関係の三つの側面のいずれについてもふれつつ,それら三つの間の関係にも注意しながら,論じなさい.

それぞれの成績の取得者数

    秀   1名

優   23名

良   108名

可   37名

不可 22名(単位取得率88.42%)

講評

三つの側面それぞれについて,いつ,どのようにという問いに対応するように,90年代以降の改革の動向を明確に述べることが必須です.論述に具体性があるほど,高い得点を与えています.その上で,理論的な枠組み,たとえば政治と行政であれば,本人・代理人関係における委任のあり方やコントロールのあり方,中央地方関係であれば,集中・分散,融合・分離,総合・分立などの概念を適切に用いつつ,その変化を位置づけることを求めています.現在の特徴との関係を述べることなく明治期から戦後の歴史を述べたり,理論的枠組みのみを述べているものには点を与えていません.

さらに,三つの側面いずれもが,政治家の行動,さらにはそれを規定している選挙制度の変化によって変容してきたことを明示的に述べている場合に加点を行っています.ただし,それができている答案は非常に限られていました.

適切な段落分けがなされていること,また全体の構成(時系列か,三つの側面か,いずれかで整理するのが基本です)が練られていること,論理的に文章を展開していることも評価の対象です.


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