早稲田大学・ 方法論セミナー(数理分析) 10

1.目標

 ゲーム理論を用いることで,実際に,政治現象をどのように理解することができるのか,取得,実感してもらうことが目標です.ゲーム理論そのものを学習する段階は終わっていることを前提に,ゲーム理論を分析のツールとして使いこなすトレーニングをしてもらうことを目指します.

 言い方を変えれば,この講義は,導入段階の取得者に対して,advancedではなくappliedな内容を提供するものです.また,その方法として,関連文献の多読ではなく,自分自身での作業を行うという方向性をもっています.

2.方法

 例題を解いてもらいます.といっても,これまでゲーム理論の学習で行ってきたような,解を求めるたぐいの例題とは異なります.ここで行うのは,ゲームそのものを構築してもらうことです.分析対象となる政治的事象(担当者の専門の関係から,現代国内政治が中心となります.あしからずご了承ください)を,こちらから与えますので,ゲーム理論を用いて,それを適切に分析してください.ゲームの構造をどのように設定すればその事象を捉えられるか,解はどのようなものになるか(いかなる均衡概念を用いるか),いかなる含意がそこから得られるか,さらに,実証研究にどのようにつなげていくかといった四点を検討してもらいます.

 その後,各自の分析をプレゼンテーションしてもらいます.報告に対して担当者を含め全員でディスカッションを行います.

 合宿形式であることのメリットを生かすべく,次のように進めることを考えています.初日の午後は,その場で軽めの課題を提示し,肩慣らしをしてもらった上で,次の日に向けての課題を提示します.したがってその日の夕方〜夜に作業を進めてもらうこととなります.二日目の午前と午後にその報告と検討を行います.再び三日目に向けての課題を提示しますので,二日目の夕方に作業を進めてください.三日目の午前中に報告と検討を行います.

 ゲームの種類でいうと,次のようなものを扱う予定です.

 初日(課題1から4);完全完備情報,プレイヤーが2から数名のもの,政策選択をめぐるゲーム

 二日目;不完全情報,不完備情報のモデル.プレイヤーが多人数のもの,政策選択以外のゲーム

3.評価

 議論や作業に積極的に参加し,二日目夜の課題について,三日目の検討を踏まえながら,帰宅後,文章化してレポートとして提出することによって単位を認定します.