1. 目的
本講義は、博士課程進学希望者を対象としておこなう夏期集中講義です。前期の方法論(数理)で学んだことを踏まえて、その上級編として開講します。そこでの目標は、実際にゲーム理論のモデルを作成していくことで、政治現象をどのように理解することができるのかを実感し、修得してもらうことです。ゲーム理論そのものを学習する段階は終わっていることを前提として、ゲーム理論を分析のツールとして使いこなすトレーニングをしてもらうことを目指します。
2. 進行表
8月6日 午後1時30分開始
(1)担当者によるモデル作成の再現
担当者が先日書いた論文の学会でのプレゼンテーションのうち、ゲーム理論を除いた部分を示すことで、問題のセッティングを与えます。また、その論文を構成するために用いた材料、すなわち、先行研究、計量データ、統計分析の結果を持っていきます。これらを利用しながら、皆さんと話し合いながらモデルを作成していきます。
8月7日 (終日)
(2)資料に基づいたモデル作成の試み
この数ヶ月の日本政治の出来事、とりわけ菅政権に対する内閣不信任案の提出とその否決後の動きを中心とした新聞記事を用意します。複雑にみえる様々なアクターの一連の動きを、ゲーム理論モデルを用いることで、どのように理解することができるのかを考えたいと思います。このパートについても、やはり皆さんと話し合いながら、モデルを作成していきます。
(3)参加者の研究テーマに基づくモデル作成
参加者の研究テーマについて、一人30分で報告してもらいます。その報告を材料として、参加者全員でモデルを作成していきます(およそ1時間を予定しています)。
各参加者は、30分間のプレゼンテーションの用意(プロジェクターが使えるとは限らないので、ハードコピーの資料を用意してください)をするとともに、そこでは話さないことも含めて、自分の研究テーマに関係する資料や先行研究について整理しておいてください。というのも、プレゼンテーションで話すことだけでは、モデルをつくる材料が十分ではない場合もあります。そうした場合に追加で情報を提供できるようにしておいてもらいたいからです。
8月8日
(4)参加者の研究テーマに基づくモデル作成(つづき)
終了時間2時半の予定
3. 成績認定
成績認定は、セミナーでの報告及び討論への参加の程度に基づいて行います。