神戸大学・学部・比較政治応用研究10

  • 目的

『政権交代の研究』をテーマとする.なぜ昨年の民主党への政権交代は生じたのか?それにより何が変わったのか,あるいは変わらないものは何なのか?過去の政権交代や他国での政権交代と比較すると何が見えてくるのか?このような政権交代に関する様々な疑問があるはずである.参加者は各自が問題設定を行い,文献や聞き取り調査を元に分析を加える.分析結果について口頭での報告とリサーチペーパーの執筆を行う.

一連の作業を通じて目標とするのは,以下の四点である.

(1)現代日本の政治や行政について,各自が問題意識を持つこと.

(2)問題の設定,それに対する回答の提示という「研究」の基本的な方法論を,実際に経験すること.

(3)文献や聞き取り調査によって,政治や行政の実態を自ら「つかむ」こと.

(4)口頭報告と文章という二つの異なる方式で,自らの問題意識や調査結果を他者に「伝える」こと.

 

  • 内容

講義は大きく四つの部分からなる.

第一は,全体の方向性を理解し,テーマについての関心を育てるパートである.まず,教員あるいはティーチング・アシスタントによる講義のねらいと進め方についてのイントロダクションを行う.

第二に,政権交代に関する様々な問いのうち,どのような具体的な問題を取り上げるのか,なぜ,その問題を取り上げるのかを考え,まとめ,そして,他者に伝えることを行う.

次に第三に,実態調査を進めていく.情報をどのように集めるのか,それをどのようにまとめあげていくのか,それを通じて自分の設定した問題に対して,いかなる回答を提示するのかを考え抜いてもらう.

最後に第四に,研究の成果を二つの方法でプレゼンテーションしてもらう.一つは,口頭での報告である.もう一つは,文章によるものである.執筆されたペーパーは冊子としてまとめることを予定している.

まとめ直すと,第一部のみは,受講生は教員の話を聞きながら,質疑応答をしていくという役割になるが,第二部以下は,受講生の側が主体的に研究を行っていくことになる.そこでは,各自は二回の口頭報告の機会を持つ.自分の報告以外の回では,他者の報告に対して積極的に意見交換を行うことが求められる.また,講義以外の時間で相当の時間とエネルギーを費やすことが求められる.問題の設定,実態調査,口頭報告の準備とリサーチペーパーの執筆は,いずれも講義の時間外に行われるのであり,相応の負担となることを覚悟されたい.

 

  • 日程

4月9日;教員によるイントロ

4月16日;TAによるテーマの示唆;受講許可カード,提出締め切り

(4月23日は授業はスキップ;報告準備にあてる)

一回目の報告

4月30日;5月7日;5月14日;5月21日,5月28日(計5回)

二回目の報告

6月4日,11日,18日,25日,7月2日,9日,16日(計7回)

  • 評価方法

2回の口頭報告,リサーチペーパーの内容(80%)

毎回の質疑応答への参加の程度(20%)


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