神戸大学・学部・行政学13

成績評価について

つぎの五つの課題について,それぞれ24点満点(4点はボーナス;当初締切日以降に提出したものについては,ボーナスはつけない)で採点を行った.その合計に基づきつつ,五つとも提出した場合には最低でも60点となるよう,また合計が100点を超えたものはそれ以下となるよう,点数調整を行った上で, 最終成績とした.

それぞれの成績の取得者数

秀   18名

優   38名

良   62名

可   36名

不可 23名(単位取得率87.0%)

課題1 

新聞のデータベースや文献を用いて,現代日本(国でも地方でもかまわない)の政治と行政の関係の実態を示している事件や事象を探して,その経緯を記述しなさい.その上で,その事件・事象が PA 関係の四類型(過剰統制,破綻,常態,理想型)のいずれにあてはまるのかを述べなさい.可能ならば,その理由は何かについての考察や複数事例の比較を行いなさい.

課題2 

2章で述べた戦後日本の政治と行政の関係を題材にして,

(1)3 章で説明した三つの I による説明によって,どのように理解することができるのか述べ なさい(三つの I のうち一つ,二つ,ないし全てのいずれでもかまわない).

(2)4 章で説明した行政責任の概念については,どのように理解することができるか述べなさい.

課題3 

任意の自治体(今,住んでいるところや出身地など)を選び,職員数,予算規模,組織編制(組織図)を調べ,中央府省のそれと比較しなさい.可能であれば,異同の原因についても検討しなさい.

課題4 

行政に関する書物を一冊選び(思いつかない人は,教科書の読書ガイドと参考文献リストを参照),その本の書評を書きなさい.

課題5 

 日本の公務員数,とりわけ国家公務員数は,なぜ国際的に比較しても非常に少ないのか.できるだけ多くの論点を取り上げながら,論じなさい.

講評

 十分な調査と検討に基づく素晴らしいものが相当数見受けられる一方で,限定的な時間と労力のみで作成したものも,また多く見受けられました.適切な段落分け,冒頭の一字下げなど,文章表現の極めて基礎的な部分ができていないものも残念ながら一定数,存在しています.

以下,課題ごとに気づいた点を記しておきます.

課題1については,典拠を明確に書いていないものがありました.その場合,評価を下げています.複数事例の比較を行ったものに,高い評価を与えました.

課題2は,再整理を十分行うことができず,要約を記述するのに留まっているものが多く見受けられました.

課題3については,単純に中央府省と自治体を比較するのではなく,人口あたりに換算するなど適切な工夫を加えて比較を行っているものに,高い評価を与えました.

課題4については,力作が多く,読んでいて非常に楽しかったです.本格的な研究書をとりあげた人も多くいました.他方で残念ながら,著者が述べていることと,評者(あなたたち)の見解が一見して区分できないような書き方をしているもの,要約に留まるもの,逆に全く内容紹介がないものが見受けられました.

課題5については,出来具合のばらつきが少なかったです.どのような意味において公務員数が少ないといえるのか問い直したり,時系列的な変化の視点も取り入れるなど,自分自身で検討を加えたものに高い評価を与えました.

 


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